学級崩壊と心理現象
学級崩壊という言葉は誰もが知っている言葉ですよね。
そして教師が一番恐れているといっても過言ではない言葉です。
一体どんな状態なのか?!
もうそれは悲惨です。
子どもが言うことを聞かないし、次から次に問題が起こってモグラ叩き状態です。
その上、親まで出てくる騒ぎで担任の先生は精神的にも体力的にもやられてしまいます。
どんなベテランの先生だろうと誰にでも起こり得ることです。だからこそ怖いです。
崩壊の要因やきっかけは様々だと思います。
担任と子どもの反りが合わなかったり、子ども同士の性格の問題だったり、はたまた他教師からの嫌がらせなど多数です。
今日はその一つ。担任による学級経営がうまくいっていない時の状態と対策についてです。
"ブロークン・ウィンドウズ"という言葉をご存知ですか?
昔、窓の割られた車を街に一台放置しておくと、その近隣では急激に凶悪犯罪が増えていくことがありました。
この悪の連鎖現象をアメリカの犯罪学者ケリングさんが提唱した理論です。
これと似たような調査として、"郵便受け実験"というのも有名です。
家の郵便受けの近くの壁に落書きがあったり付近にゴミが捨てられていたりすると、その郵便受けから郵便物が盗まれる割合は25%だというものです。
小さい悪を見逃していたら、どんどん膨らんでいくという現象です。
似たような現象が崩壊しかけのクラスでは起こり始めます。
床にゴミが落ちている。
↓
紙クズや給食のおかずなどを平気でその辺りに捨て始める。
↓
汚いから誰も触りたくない。
↓
掃除をしなくなる。
↓
どんどん汚くなる。物を大切にしなくなる。物の紛失や破損が多くなる。
その他にも共有スペースに物を放置することにより、物がなくなったり、いざ片付けさせると落書きが見つかったりと問題が出てきます。
要するに、小さな問題を放置すると徐々にモラルが低下し悪の連鎖にはまっていくということです。
この連鎖に陥ると多方面でトラブルが続出です。
なぜなのか?
自己防衛本能が働くから
悪いことがいつまでも放置されているのを目の当たりにし続けることは、誰をも苛立たせます。
そしてそれが原因で人を暴力的にされるのではないかと言われています。
学級崩壊のクラスに指導しに行った経験が何度かありますが、これは非常にそう感じました。
普段穏やかな子もみんなピリピリしているんです。
集団が暴力的になりつつあるので、防衛本能として自分を強く見せるためにさらに暴力的になるんでしょうね。
大したことない言い合いで手が出たり、口調がキツくなったりしていました。
どうしたらいいのか?
それは小さな問題にその都度、手を打つことです。
例えどんな小さなことでもクラスのルールに反することなら全員の前で指導する。
これに限るのではないかと思います。
そうすると子ども達は、
「こんな小さなことも許してもらえないんだな。気をつけよう」
「この先生はよく見てるから、ちゃんとしないと」
そういう意識にさせられます。
これは発言力のある強い子には抑止効果になりますし、発言のない比較的弱い子には安心感を与えます。
掲示物が歪んだままにななっている
共有スペースに私物が散乱している
壊れた掃除道具がそのまま放置されている
こういう状態のままだと黄色信号です。
早めに手を打たないと取り返しのつかないことになるかもしれません。
偉そうなこと書いてますか、私も毎年学級崩壊を恐れています。
だって本当に小さなことから崩れ始めるからです。
経験の浅い先生こそ、口うるさいくらいに最初から言い続けること指導し続けることが肝心だと思います。