指導力のある教師の見分け方
初任の時に教わったことがあります。
それは
"学級経営は1に掃除、2に給食、3に授業。掃除指導もまともにできない担任に指導力はない。"
最初聞いた時は「掃除?!」と意味が分かりませんでした。
しかしある程度経験を積んでくると納得できました。
学級経営がうまくいっていないクラスほど、掃除ができていないのです。
掃除の時間は、完全に無法地帯です。 教師の目が届かない所に子ども達が散らばります。
担任の先生はあらゆる掃除場所で掃除をしています。もしかしたら、生徒指導をしているかもしれません。
職員室で休憩、廊下で談笑してる教師なんて論外です。そんな教師に子どもはついていきません。
わずか20分弱の時間で体育館トイレや運動場のトイレ、教室から遠く離れた教科室まで掃除をしにくる先生は少ないと思います。来たとしても短時間や、各日おきです。
そんな完全フリーの時間にきっちり掃除が出来ているクラスは、絶対に学級経営がうまくいっているクラスです。
サボっていてもバレないのに時間目一杯まで掃除ができるなんて!!
よっぽど真面目な賢い子か担任と信頼関係が出来ている子です。
じゃぁどうやったら掃除ができるクラスになるの?
それは4月の時点で掃除のシステム化を構築しておくこです。
一番最初から
"この先生は掃除に関して厳しい"
と印象づけること。
そして各児童に、
"掃除の時間は何をするのか明確にしておく"
ことです。
掃除の範囲
掃除道具
掃除の手順
を明確に記したものを必ず子どもに読ませて伝えます。
低学年なら+で説明がいるかもしれません。
「読んでおいてねー」
そんなもの読みません。
必ず掃除場所が変更になった時、その日の朝の会で時間をとり読ませます。
本当は面倒くさいです。 でもそこまで担任が手をかけないと、児童が頑張ることはできません。
夏の暑い疲れた日に、暑い汚いトイレ掃除頑張れますか?
冬の寒い日に冷たい手洗い場の掃除ができますか?
誰だって嫌になる時があります。
でもその時に、
「みんなが使う場所だから」
「他のみんなも掃除頑張ってるから」
「ちゃんと頑張ってることを◯◯先生は評価してくれるから」
と思いとどまらせるために、担任の先生がどれだけ掃除に力を入れているかです。
また、掃除をしない子の中には
”やりたくない”
ではなく
”何をやったらいいのか分からない”
という子もいます。そのような子への手助けとなるためにも事前の説明は必要です。
掃除時間の鉄則として
* 時間の最初から最後まで
* 無駄な話をしない
は厳守です。
よく「掃除が終わったー」と数分で帰ってくる子がいます。
確かに簡単な掃除場所だったらあり得ます。
でもそれをそのままにしていたら掃除システムは崩壊です。
掃除が早く終わった子は途中で友だちと遊びながら帰ってきます。
↓
出会った友だちも早く帰りたいので適当に終わらせるようになります。
↓
教室には掃除が終わった子で溢れかえります。
↓
時間を持て余した子ども達が遊び始めて、怪我をしたり物を壊したりと騒がしくなります。
時には、各々の掃除場所で遊んで問題を起こす事もあり得ます。
そのため、掃除の時間は時間いっぱいまでと無駄話をしないことを鉄則とします。
また掃除場所は月交代にします。 担当場所とその場での役割は1ヶ月固定です。
頻繁に掃除場所をかえていたら掃除のルールが定着化しにくいためです。 一年同じ掃除場所なら担任としては指導しやすいですけど、さすがに一年中雑巾掛けは可愛そうです。
掃除のルールの定着化と程よく気分転換のバランスがとれる期間として私は1ヶ月にしていました。
その1ヶ月、教室の箒担当となれば役割をまっとうします。たまに雑巾や黒板をすることはありません。これも役割を固定して責任を持たせます。
そして清潔な掃除道具を用意することです。 汚い掃除道具ではヤル気も湧きません。
だから掃除交代の次初めと同時に新しい雑巾や壊れた掃除道具を一新します。
そうすることで、掃除道具にも愛着を持ち大切に使う子が増えてきます。
もしオープンスクールや参観日で掃除の時間の見る機会があったらお子さんの掃除の様子を覗いて見てください。 普段の掃除の様子=学級の様子が分かるかもしれません。
そしてもちろん担任の先生も一生懸命掃除していることが大前提です。子どもと一緒にいい汗を流してくれる先生だと最高です!